テンレック目
テンレック目、アフリカでモグラ目の役割をする動物
テンレック目は、アフリカ獣類の1グループです。
テンレック目は、別名「アフリカトガリネズミ目」とも呼ばれ、
アフリカ大陸とマダガスカル島で、モグラ目(モグラ、ハリネズミ、ジャコウネズミなど)の役割を担っている動物です。
有胎盤類(有袋類と単孔類以外のすべての哺乳類)の中ではもっとも古いグループの一つで、
変温動物なみに体温調節がへたくそ、フン、尿、子供を排出する管が一つしかないなど、大昔の有胎盤類の姿をとどめている動物です。
Youtubeシマテンレック動画
テンレック目の生息域
テンレック目の仲間は、アフリカ大陸とマダガスカル島にすんでいます。
現地のアフリカやマダガスカル島では、河川改修や鉱山の採掘が急速にすすみ、どの種類もかなりの勢いで数が減っていて、近い将来絶滅の危険があるといわれています。
多くの種類はレッドリストの絶滅危惧Ⅰ類(アマミノクロウサギと同じレベル)に指定されています。
テンレック目の仲間
テンレック目は、大きく4つのグループに分かれていて、
ハリネズミ(モグラ目)にそっくりなテンレック科、
モグラ(モグラ目)にそっくりなコメテンレック科とキンモグラ科、
カワウソ(食肉目)にそっくりなポタモガーレ科に分けられています。
※コメテンレックをテンレック科、ポタモガーレをポタモガーレ科とする考えもあります。
ポタモガーレ
分類:テンレック目テンレック科
学名:Potamogale velox(ポタモガーレ・ベロックス)
英名:Giant otter-shrew(ジャイアント オッター シルー)
体長:29~30cm(尻尾を含めると50cmほど)
ポタモガーレは、アフリカ中央部の雨林地帯の水辺にすんでいます。
一日のほとんどを水中ですごす半水生で、巣穴の入り口は水面の下にあり、カニ、水生昆虫、魚、カエルなどを食べます。
小さい耳と閉じられる鼻の穴を持ち、長い尾の中央から先が平たくなっていて、泳ぐ時に水をかきやすくなっています。
ここまで水中生活に適応しておきながら、手足に水かきは持っていません。
ポタモガーレの仲間共通の特徴なのか、後肢の人差し指と中指が結合してくっついています。
サバクキンモグラ
分類:テンレック目キンモグラ科
学名:Eremitalpa granti(エレミタルパ・グランティ)
英名:Grant's golden mole(グランツ ゴールデン モール)
体長:6~8cm
サバクキンモグラは、ナミブ砂漠とケープ地方の西南部にすんでいます。
砂漠にトンネルを掘り、ミミズ、トカゲ、コオロギ、カタツムリなどを食べています。
目は皮下に埋まっていてほとんど見えません。
Youtubeサバクキンモグラ動画
ヒメポタモガーレ
分類:テンレック目テンレック科
学名:Micropotamogale Lamottei
英名:Nimba Otter-shrew
体長:20cm
ヒメポタモガーレは、アフリカのニンバ山系(コートジボアール、リベリア、ギニアの国境)の高地にすんでいます。
水辺でくらす半水生の動物でありながら、やっぱり四肢に水かきは持っていないです。
さらに、ポタモガーレのように尾は平たくなっていません。
やっぱり後肢の人差し指と中指が結合してくっついています。
ミズカキポタモガーレ
分類:テンレック目テンレック科
学名:Micropotamogale Ruwenzori
英名:Ruwenzori Otter-shrew
体長:20cm
ミズカキポタモガーレは、コンゴ、ウガンダの高地から低地の渓流にすんでいます。
半水生の動物で、ポタモガーレやヒメポタモガーレと違い、四肢に水かきがあります。
尾は上下に平たくなっており、尾で水をかきやすくなっています。
で、やっぱり、後肢の人差し指と中指が結合してくっついています。
テンレックに会いに行こう!
上野動物園ハリテンレックとヒメハリテンレック埼玉県こども動物自然公園ヒメハリテンレック
東山動植物園ヒメハリテンレック