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鯨偶蹄目キリン科

 皮膚で覆われたツノを持つ動物

アミメキリン鯨偶蹄目キリン科の動物は、偶数本のヒヅメを持つ植物食動物のうち、「オッシコーン」と呼ばれるタイプのツノを持つグループです。
オッシコーンは、骨の芯に皮膚のサヤがかぶったツノです。
ツノはコドモの時からすでに生えており、抜け落ちることなく少しづつ成長します。 キリン科には、首の長いキリンの仲間と、首がそれほど長くないオカピがいます。 姿はあまり似ていませんが、どちらもオッシコーンタイプのツノを持ち、長い舌を持っています。
オカピ世界3大珍獣の1種、オカピ。アフリカ中央部の熱帯雨林にすんでいます。警戒心の強い動物で、現地では「シマ模様の大きな動物がいる」というUMA伝説があったものの、1901年まで発見されませんでした。成長するとタテガミがなくなるなど、いっぷう変わった特徴を持っています。
photo-by:無料写真素材・東京・横浜・湘南


 キリンの長い首

キリンは、現生の哺乳類の中では最も背が高い動物で、頭までの高さが4~5mあります。
と~っても長い首ですが、首の骨の数は7個しかありません。
(哺乳類の首の数は基本7個で、ヒトもネズミも7個です。)
キリンの首の骨は一個一個が長~いのです。

 もっとも眠りの短い哺乳類、キリン

アミメキリン首は長いのに、睡眠時間は哺乳類で最も短いのがキリンです。
野生では眠る時は立ったまま、1日20分~1時間ほどしか眠らないといわれています。 動物園には敵がいなくて安心して眠れるので、伏せて首を折り曲げて眠ります。 睡眠時間も1時間以上。他の哺乳類とかわらないくらい眠るそうです。


 キリンのワンダーネット

キリンの頭はとっても高いところにあるので、哺乳類の中では高血圧ナンバーワン。
血圧は250を超えているのだとか。
ヒトだと血圧250あると脳が障害を起こすくらいの高さです。
キリンには、高血圧で脳がヤラレないようなしくみがあり、脳につながる血管に、血圧を減圧するワンダーネットと呼ばれる安全装置があります。
頭を上げ下げしても、貧血やのぼせが起こらないようになっています。
ワンダーネットは首の短いオカピにもあるので、首が長くなってからワンダーネットを準備したわけではなく、元々何らかの理由で獲得したワンダーネットを利用して、どんどん首を伸ばす方向に進化したようです。

 キリンのおでこはゴッツゴツ

キリンの顔 動物園に行くと、キリンの首が近くで見られるように高台になっている施設があります。 せっかくなので、オスのキリンの顔をよく見てみましょう。
二本のツノだけでなく、眉間や後頭部にコブや嶺があって、ゴッツゴツです。
個体によってはツノが4本あったりします。
オスに比べてメスのお顔は、わりとシンプルなので、ゴッツゴツのおでこは、強いオスのシンボルなようです。
キリンの顔は、天敵のライオンやヒョウよりも遥かに高いところにあるので、天敵を威嚇するというよりは、同種のキリンに強さをアピールするためのものなのでしょう。アピールするだけで決着が付かない場合は、キリンのオス同士は長い首を振り回し、激しくぶつけ合ってケンカします。けっこう猛々しい動物なのです。


 キリン科の進化

キリン科の動物の最古の化石は、2000万年前(中新世前期)にアジア、アフリカで見つかっており、以降、アジアでも広くて繁栄しましたが、250万年前(鮮新世後期)には衰退しています。
温暖だった中新世から、鮮新世の寒冷化と乾燥化で森林が草原に変わると、オカピのような熱帯性の森林にすむ仲間が衰退し、サバンナのような乾燥地帯に適応した種類が生き残ったものの、250万年前ころから(更新世初期)に始まった急速な寒冷化でさらに追い討ちをかけられ、乾燥地に適応した仲間はアフリカのキリンのみ、森林に適応した仲間はオカピのみが生き残ったと考えられています。

プロリビテリウム 鯨偶蹄目パレオメリックス科プロリビテリウム
学名:Prolibytherium
時代:中新世前期(2300万年前)
分布:エジプト、リビア
体長:1.8m
プロリビテリウムはキリン科の親戚グループ、パレオメリックス科の動物です。 板状のツノを持つ動物で、ツノはキリンと同じオッシコーンで、皮膚で覆われていました。パレオメリックス科の動物は、キリン科の祖先が現れたのと同じ頃の漸新世後期(2800万年前に現れ、中新世後期(1100万年前)には絶滅しています。


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