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食肉目ネコ科

湖畔のトラ

 忍び寄る瞬発力のハンター、ネコ科

食肉目ネコ科の動物は、瞬発力を発揮する柔軟な体つきをしており、獲物に忍び寄ったり、待ち伏せしたりして、獲物を一撃でしとめる肉食性のハンターです。
ライオン、トラ、ヒョウ、チーター、ヤマネコ類が含まれ、家畜化された種類が飼い猫です。
イヌ科の動物の多くが群れを作って獲物を追いかけて仕留めるのとは対照的に、多くのネコ科動物は群れを作らず、単独で行動します。
ライオンだけは群れを作る変わり者で、集団で獲物を倒します。


 一撃必殺、ネコ科の狩り

オセロット ネコ科の動物が獲物を倒す時は、おおむね、前足で獲物を押さえ込み、爪を食い込ませて引き裂くか引き倒しつつ、首筋かノド元に喰らいついて窒息させて倒します。
狩りのうまい個体は、待ち伏せして獲物の首に喰らいつき、一撃で仕留めます。
また、昆虫や鳥などの飛ぶ獲物は、助走無しで垂直に飛び上がって前足で空中キャッチし、落としてから息の根を止めます。
狩りの方法は本能ではなく母親から教わるものであり、母親は狩って見せたり、半殺しの状態の獲物を捕らえさせたり、食べて見せたりして、狩りを教えます。
早い時期に母親から引き離すと、本能で獲物に飛び掛ることはできますが、トドメを刺すことができなくなります。
(何度も飛び掛るが、その後どうしてよいか分からないので、結局オモチャにしてしまう。)
photo-by:無料写真素材・東京・横浜・湘南


 飼いネコの起源

飼いネコは、4000年から5000年前のエジプトで、野生のヤマネコ、リビアヤマネコを飼いならしたのが始まりとされています。
穀物を貯蔵しておく倉庫にネズミが集まるので、ネズミを狙って勝手にすみついたとも言われています。
ネコがネズミ捕りとして世界中に広まるまでは、ヨーロッパでは、ジェネット(ジャコウネコ科)、アメリカではカコミスル(アライグマ科)が飼われていました。
日本の飼い猫は、仏教の経典をネズミにかじられないように中国から連れて来られたのが始まりと言われています。
平安時代には宇多天皇が黒猫を飼っていた記録が残っています。
猫が伝わる以前はネズミ退治に苦労していたようで、弥生時代の穀物倉庫の柱にはネズミが登れないように、ネズミ返しが仕掛けられていました。


 ネコ科の進化

ネコ科の含まれるグループ「食肉目」の祖先は、暁新世前期(6000万年前)ころに現れた「ミアキス」で、ミアキスは、現生のイタチやジャコウネコに似た小型の肉食動物でした。
その後、始新世後期(3700万年前)ころに、現生の食肉目の系統であるイヌ型亜目とネコ型亜目の動物が現れます。
イヌ型亜目は、イヌ科、イタチ科、アライグマ科、クマ科、レッサーパンダ科、スカンク科に、
ネコ型亜目は、ネコ科、ジャコウネコ科、ハイエナ科、マングース科に枝分かれして進化しました。
現生のネコ科の動物が現れたのは、中新世前期(2000万年前)ころで、
ネコ型亜目の初期のグループ「ニムラブス科」が滅んで空いてしまったニッチを、現生のネコ科の動物が埋めたようです。
ニムラブス科は滅んでしまいましたが、後に、ネコ科の中でニムラブス科にそっくりの進化をした種類が現れます。
これが、アゴからはみ出すほどの大きな牙を持ったサーベルタイガー、スミロドンです。
スミロドン 食肉目 ネコ科 スミロドン
学名:Smilodon
体長:2m(肩までの高さ1m)
時代:360万年前~1万年前(鮮新世後期~更新世末)
分布:北アメリカ、南アメリカ
学名の意味は「ナイフの歯」

一般に「サーベルタイガー」とか「剣歯虎」と呼ばれるのはこのスミロドンです。
大きな牙を持った肉食性の動物で、アゴは最大120度も開いたようです。
寒冷な気候に適応していたため、耳は小さく、尾は短くなっています。
牙は大型哺乳類を倒すために進化したもので、マンモスなどのノド下に喰らいつき、血管を切って失血死させていたと考えられています。
一万年前に氷河期が終わり大型哺乳類が滅ぶとスミロドンも共に滅びました。
スミロドン頭骨スミロドン頭骨。


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