アニマル雑貨けもの屋さん

HOME > 奇蹄目

奇蹄目(きていもく)

奇蹄目の仲間は、ヒヅメを持つ大型の植物食動物です。
ヒヅメのある指の数が1本か3本で、第三指(中指)に重心があります。 同じくヒヅメを持つ大型植物食動物のグループに偶蹄類がいますが、 偶蹄類とは別系統の動物グループから進化しています。
奇蹄目の仲間は、4万年前~3万年前くらい前には、14科以上のグループが繁栄していましたが、 現在はウマ科、バク科、サイ科の3科だけです。

ウマ科

バク科

サイ科

 奇蹄目の祖先

奇蹄目の分類 ウマ科、バク科、サイ科以外のオレンジ文字は、滅んでしまったグループ(科)です。
鉤爪を持つもの、ゾウより巨大なもの、奇妙な角を持つものもいました。 奇蹄目は、原始的な初期の草食動物「か節目(”果頁”節目):かせつもく」の仲間から、5600万年前(始新世前期)頃に分かれて進化したと考えられています。
「か節目」は、現生の奇蹄目や偶蹄目、の他、滅んでしまったグループ(恐角目、アメリカ有蹄類など)などのヒヅメを持つグループの祖先を生み出したグループです。
「か節目」自身は、自ら生み出したヒヅメを持つ草食動物グループが繁栄すると、2300万年前(漸新世末期)に滅んでしまいました。


 絶滅した奇蹄目の仲間

ホモガラックス ホモガラックス(頭骨)
奇蹄目イセクトロフス科ホモガラックス
学名:Homogalax protopirinus(ホモガラックス・プロトピリヌス)
時代:4800万年前(始新世前期)
分布:アメリカ
イセクトロフス科は、バク型亜目の中では最も原始的なグループで、始新世後期に滅んだグループです。ホモガラックスはバクに似た姿でしたが、バクのような長い鼻はありませんでした。


ヒラキウス
ヒラキウス(頭骨)
奇蹄目ヒラコドン科ヒラキウス
学名:Hyrachyus eximius(ヒラキウス・エクシミウス)
体長:1.5m
時代:4000万年前~2300万年前(始新世中期~漸新世後期)
分布:北アメリカ、ヨーロッパ、アジア
ヒラコドン科は現生のサイ科に近い原始的なグループで、2300万年前(漸新世後期)に絶滅しました。ヒラコドン科の仲間には、ゾウより大きい史上最大の陸生哺乳類として有名な「インドリコテリウム」(体長7.5m、肩までの高さ4.5m)がいます。ヒラキウスはウシくらいの大きさで、サイよりも細身で足が長く、バクに近い姿をしていました。


リノティタン
リノティタン
奇蹄目ブロントテリウム科リノティタン
学名:Rhinotitan mongoliensis(リノティタン・モンゴリエンシス)
体長:4m(肩までの高さ2m)
時代:3700万年前~3300万年前(始新世後期~漸新世前期)
分布:アジア
ブロントテリウム科は、奇蹄目の仲間のうち、骨の芯がある角を持ったグループです。
現生の奇蹄目の仲間で角を持つのはサイだけですが、サイの角は毛の固まったものであり、骨が芯となった角を持っているのはブロントテリウム科だけです。 角の骨は表面がザラザラと粗くなっているので、キリンの角のような、骨の上に皮の鞘をかぶった角だったようです。柔らかい水辺の植物か、木の葉を食べていたと考えられています。
学名の意味は、「リノ=サイ、ティタン=大きい」。


エンボロテリウム
エンボロテリウム(頭骨)
奇蹄目ブロントテリウム科エンボロテリウム
学名:Embolotherium andrewsi(エンボロテリウム・アンドリュウシ)
体長:4m
時代:3300万年前(漸新世前期)
分布:アジア
エンボロテリウムはブロントテリウム科の中では最期の仲間で、アジアに生息していました。鼻の上に鼻骨が変化した角があります。メスよりもオスの角の方が大きかったことが分かっています。
学名の意味は、「エンボロ=大きな槌(つち)、テリウム=ケモノ」。


モロプス
モロプス
奇蹄目カリコテリウム科モロプス
学名:Moropus elatus(モロプス・エラトゥス)
体長:2.5m(肩までの高さ1.8cmほど)
時代:2300万年前~530万年前(中新世前期~後期)
分布:北アメリカ、ヨーロッパ
カリコテリウム科はヒヅメではなく「かぎ爪」を持ったグループで、180万年前(更新世前期)に絶滅したグループです。モロプスはカリコテリウム科の中では最も化石が多く見つかっています。前肢、後肢とも3本指で、前肢の「かぎ爪」が特に大きく、爪で木の葉をたぐりよせて食べていたと考えられています。前足が後ろ足よりも少し長いため、胴体は水平ではなく、やや後方へ傾斜していました。
学名の意味は、「のろまの足」。カギ爪では速く走れないだろうということで付けられた学名らしい。失礼な・・。


↑ ページの上へ戻る

inserted by FC2 system